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03 申請準備編|一棟貸し宿の始め方

保健所・消防署への相談ってどう進めればいい?

私がつまずきながら学んだ“申請準備のリアル”

 

物件が決まり、旅館業の申請に向けて本格的に動き出す——

そのタイミングで必ず向き合うのが 保健所・消防署での事前相談 です。

 

今回は私自身が最も苦戦したステップでもある

「申請の準備」について、体験ベースでお伝えします。

 

「どこまで自分でできるの?」
「行政って怖くない?」
そんな方の不安が少しでも軽くなれば嬉しいです。

 

保健所への相談で感じた“壁”と学び

物件購入前から、私は 用途地域・周囲100mの施設・上下水道 を確認し、
図面と地図を揃えて保健所に相談に行きました。

教えてもらえたポイントは主に3つ。

 

・トイレの数 → 5名につき1つ必要

・下水の状況 → 公共下水ならOK。浄化槽なら容量が定員に影響

・建物が旅館として建築基準法に適合しているか

 

ただ、ここで誤算が…。

「じゃあ、どういう間取りにしたら宿としてOKなんですか?」
と聞くと、

「どういう宿にしたいかはそちらで考えてください。
間取りの提案などはしていません。」

と返され、行政への相談に慣れていなかった当時の私はその言い方を少し冷たく感じてしまい、
このあと相談に行くのが怖くなってしまったんです。

 

その結果……

 

リフォーム工事着工前に、保健所へ図面相談せずに工事を進めてしまい、
追加で手洗い器を付ける必要が出てしまう失敗に。

 

「事前相談しておけば防げたのに…」という、私の一番の反省ポイントです。

 

でもこの経験があったからこそ、
今は 事前相談の重要性 をしっかりお伝えできていますし、
自分の質問の仕方次第で行政とのやりとりがスムーズになることも学びました。

 

 

消防署への相談で分かった“知っている”ことの重要性

旅館業申請では、保健所だけでなく 消防署 での確認も必須です。
私も物件購入前にアポイントを取り、間取り図と配置図を持って相談に行きました。

ここで特に印象的だったのが……

 

● 火災報知器の基準

  • 2㎡以上の空間には1つ必要

  • 扉がなくても60cmの垂れ壁があれば“別空間”として扱う

  • 2㎡以上あれば押入れ等の収納にも必要

正直、火災報知器は人が入る部屋のみに設置するものだと思っていたので、「えっ、押入れにも!?」と驚きました。

広い押入れやクローゼットがある宿は消防への確認が必須です!

 

● 誘導灯の扱い

誘導灯は原則として“付けるもの”ですが、
条件を満たせば免除申請ができます。

そして、免除申請は消防署から「できますよ」と教えてもらえるものではなく、
申請者側が免除の可能性を知っていないと申請できない というのがポイントです。

私は事前に勉強していたので、
「条件を満たしているため免除申請をしたい」と伝え、
結果的に誘導灯の設置費用(1か所約10万円)を抑えることができました。

こういった “ムダな費用をかけない視点” は、
旅館業の申請経験がある行政書士や工事業者でも見落とされがちなので、注意が必要なポイントです。

 

書類作成で実感した「伝わる正確さ」の大切さ

図面自体は「マイホームクラウド」というネットのCADシステムでも作成できるので、作ったことがない方でも簡単に作成することができます。
ただし、消防署に提出する図面は必要な表示項目がいくつかあり、私は何度か修正を求められました。

特に火災報知器の位置図。

私は最初、
「この部屋に報知器があると分かればいいだろう」
という感覚で、間取り図の部屋の枠内の適当な場所にマークを載せていました。

消防署からは、

  • 実際の位置と“全く違う場所”に描かれていると誤解を招くため

  • 「照明の近くなのか・ドア側なのか」など
     大まかに分かる程度には合わせてほしい

と指摘され、書き直しました。

「1cm単位で合わせる必要はないけれど、
 位置関係が分かるように描く必要がある」

という、よく考えれば“当たり前”なことを知った瞬間でした。

 

建築士の力が必須な書類

検査済証がない建物の場合、建築基準法上、建物が旅館として適法かどうかの判断は 建築士の確認が必須 です。
ここだけはどんなに旅館業の知識があっても建築士に依頼しないと進められません。

私の場合は、建築士に現地確認をしていただき、
必要な書類を作成してもらいました。

 

自分でやってよかったと思う理由

一般的には申請の多くを行政書士や建築会社に任せるケースも多いのですが、
私は 自分で動いて本当に良かった と感じています。

 

理由はただ一つ。

 

“許可が下りればOK”ではなく、
許可が下りるまでの流れを知ることができたから。

 

行政書士や工務店は、
「許可が取れるかどうか」が主目的なので、
誘導灯の免除など“費用が下がる工夫”まで考えてくれることは多くありません。

 

私は自分で相談・確認したからこそ、
・誘導灯の免除
・不要な工事の回避
・本当に必要な部分だけの修繕
など、無駄のない進め方ができました。

そして、今では宿オーナーさんのサポートをする際、
その経験が大きな力になっています。

 

■ まとめ

申請準備は、最初は戸惑うことが多いけれど、
流れを押さえて進めれば確実にゴールに近づきます。

そして、
“行政が何を見ているのか”を理解しながら動くと、
ムダな失敗や余計な出費を防げる

ということを身をもって体験しました。

もしあなたが、

  • 行政ってなんだか怖い

  • 何から相談していいか分からない

  • 自分一人で進めるのは不安

そんな気持ちがあるなら、どうか無理をしないでください。

経験者がそばにいるだけで、申請準備のストレスはぐっと軽くなります。

 

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