01 物件探し編|一棟貸し宿の始め方
「いつか小さな宿を始めてみたい」
そんな思いを持つ方が最初にぶつかるのが 物件探し です。
一般的には観光地周辺や駅近など「立地の良さ」が重要とされますが、
必ずしもそれだけが物件探しの条件ではありません。
今回は、私自身が一棟貸し宿の立ち上げをお手伝いした際に経験した
「物件選びのプロセス」と「気をつけるべきポイント」をご紹介します。
物件探しの条件とは?
上述したように一般的には観光地周辺や駅近など「立地の良さ」が収益性に影響を与えるとされていますが、
私がお手伝いしたオーナーさんの条件は少し違っていました。
●自分自身も別荘として使いたい
●空いている日に宿として貸し出して収益を得たい
●10名以上が泊まれる広さ(寝室が3部屋以上あること)
つまり「収益性だけでなく、自分にとって居心地の良い空間」であることが大前提でした。
条件を基に最初はネット情報をチェックし、気になる物件を見つけたら不動産会社に連絡。
1日に4件以上内覧できるように予定を組み、何十件も見て回りました。
その中で「ここは良い!」と感じた物件が2つ。
※当時は宅建業の免許を取得する前だったので、一般のお客として不動産会社に電話して仲介していただきました。
良い物件に共通していたポイント
1件は別荘地にの傾斜面に建っているステンドグラスがある物件で、もう1件は平屋の和風建築の物件でした。
その2件に共通していたのは、
●躯体がしっかりしている(傾きがない)
●南向きの窓が広く、明るく開放的な空間
●10名で泊ってもくつろげる大空間
「光」「空間の広がり」は宿泊施設としてゲスト様に大きなインパクトを与える上で欠かせない要素だと実感しました。
購入を決めたポイント
別荘地の物件も良い点もありましたが、以下のような不安がありました。
●別荘地内のため管理料が発生する
●雪が降ると車で行きにくい立地(急斜面)
●デッキが傷んでおり修復が必要
●浄化槽の容量不足で入替工事が必要
宿を始める際の「初期費用」や「維持コスト」、「ゲスト目線での利便性」を考え、最終的に候補から外すことになりました。
宿として選んだのは、現在の Calm Nest五十波 となった平屋の一軒家です。
こちらの物件は
●売主さんが直前まで住んでいたため空き家期間が短い
●キッチン・お風呂が新しく、水回りがキレイ
●8帖と6帖の続き間に加え、寝室となる和室が充分に確保できる
●買い物や外食が車で10分圏内で便利
●畑付きで「暮らすように泊まる」イメージが膨らむ
など「宿としてゲストが快適に過ごせるか」「オーナーも別荘として使いたいと思えるか」———この両方を満たしたことが決め手でした。

注意すべき法規制と確認ポイント
オーナーが物件の購入契約をする前には市役所や保健所に何度も足を運び、以下を確認しました。
●旅館業の営業が可能な用途地域かどうか
●浄化槽の有無および処理能力(宿泊定員に直結する)
●物件から概ね100m以内に学校や公民館などの施設はないか
上記の確認が漏れていると、物件を購入しても小規模宿の運営ができなかったり、
希望の宿泊定員数を確保できないなどのトラブルが発生する恐れがあるため、必須事項です。
さらに、地域の方々に宿運営についてご理解いただくことも重要でした。
旅館業法の簡易宿所においては自治会へは通知のみで足りますが、
やはり、地域の方々にご理解いただくことでその後の宿運営を円滑に進めることができます。
今回の物件探しでは、収益性よりもオーナーが別荘として通いたい立地で物件探しをしましたが、
小規模宿をご検討の皆様は観光地やライバルの宿の稼働状況などを鑑みてエリアおよび物件を選ぶことをお勧めいたします。
その他にも
●用途地域や周辺施設の状況など、宿を営業できる地域か
●宿泊定員数分の寝室を確保できるだけの部屋数があるか
●下水道などのインフラに問題がなく充分な宿泊定員数を確保できるか
●騒音・ご近所トラブルのリスクはないか
など、「これは宿として使える物件か?」という視点を持って物件探しをすることが、
後の申請や改修工事の大変さを大きく左右します。
次回は、どのように旅館業法や消防法令の基準に照らして確認していったのかをお話していきます。
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B-Nest(株式会社Blissful Nest)
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